「経営リスク削減のためにも、定着率向上のためにも労務リスクを削減したいが、何から手をつければいいかわからない」、「働き方改革関連法、その他労働法の改正に対応できているか不安」という経営者・人事労務担当者の方はまずは「労務監査」で現状を可視化することを推奨いたします。
グローバル化時代を生き抜くための外国人材活用と労務管理とは?
グローバル化が加速する現代において、外国人材の活用は、単なる人手不足の解消策に留まらず、企業の競争力を高めるための重要な戦略となりつつあります。しかし、採用から定着、そして労務管理に至るまで、外国人材ならではの課題に直面することも少なくありません。本コラムでは、外国人材活用のメリットとデメリットから、採用・労務管理の注意点、そしてトラブルを未然に防ぐための具体的な対策まで、戦略的な外国人材活用について解説します。
なぜ今、外国人材活用が重要なのか?
本国内の労働人口減少が進む中、多くの企業が人材確保に苦慮しています。一方、グローバル競争の激化は、新たな市場開拓やイノベーションを企業に強く求めています。外国人材は、多様な視点や専門知識、語学力を企業にもたらし、事業の新たな可能性を切り拓く貴重な存在です。
外国人材活用のメリットと見落としがちなデメリット
メリット
多様な視点とイノベーションの創出: 異なる文化や価値観を持つ外国人材は、既存の枠組みにとらわれないアイデアや発想をもたらし、イノベーションを促進します。
新たな市場開拓: 母国の顧客や市場に関する知見を持つ外国人材は、海外事業展開の強力な推進力となります。
企業イメージの向上: 多様性を尊重する企業として、社会的な評価が高まり、優秀な人材が集まりやすくなります。
デメリット
労務管理の複雑化: 在留資格や就労に関する法規制、文化・習慣の違いなど、日本人材とは異なる労務管理の知識が必要です。
コミュニケーションの壁: 言葉や文化の違いから、意思疎通がうまくいかず、誤解やトラブルが生じる可能性があります。
定着率の課題: 日本の生活や職場環境に馴染めず、早期に離職してしまうケースも見られます。
外国人材採用・受け入れの法的要件と注意点
外国人材を採用する際は、以下の法的要件と注意点を必ず確認しましょう。
1. 在留資格の確認
外国人材が日本で働くためには、就労可能な在留資格を保有していることが必須です。不法就労者を雇用すると、企業側も罰則の対象となるため、採用前に必ず在留カードやパスポートで在留資格の種類、期間、就労可否を確認しましょう。
2. 労働契約の締結
労働条件は、日本人材と同様に、労働基準法に基づき書面で明確に提示する必要があります。特に、賃金、労働時間、休日、就業場所などを、外国人材が理解できる言語で記載することが重要です。
3. 社会保険・税金の適用
外国人材も日本人材と同様に、健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険の適用対象となります。また、所得税や住民税の納税義務も発生します。
定着率を高めるための労務管理のポイント
外国人材が能力を最大限に発揮し、長期的に活躍するためには、適切な労務管理が不可欠です。
1. コミュニケーションの壁を乗り越える
業務上の指示だけでなく、日頃から積極的に声をかけ、良好な人間関係を築くことが大切です。多言語対応のツール導入や、語学研修の支援も有効です。
2. 公正な人事評価
文化や習慣の違いから、日本人材と異なる評価基準を用いてしまうと、不公平感を生みかねません。成果に基づいた客観的かつ公平な評価基準を明確にし、本人に丁寧に説明しましょう。
労務トラブルを未然に防ぐために
トラブルを未然に防ぐための対策を講じることで、外国人材が安心して働ける環境を整備できます。
1. 就業規則の整備
就業規則は、外国人材が理解できるよう、多言語で作成・周知することが望ましいです。特に、服務規律、休暇制度、賃金計算方法、ハラスメントに関する規定などは、丁寧に説明し、疑問点がないか確認しましょう。
2. 相談窓口の設置
言葉や文化の壁、生活上の不安など、外国人材が気軽に相談できる窓口を設置しましょう。相談しやすい環境を整えることで、小さな問題を早期に発見し、大きなトラブルに発展するのを防げます。
3. ハラスメント対策
文化や慣習の違いから、意図せずハラスメントと捉えられてしまうケースも少なくありません。社内研修などを通じて、ハラスメントに関する意識を高め、予防策を徹底することが重要です。
外国人の採用における「適性検査」の活用
外国人材の採用において、言語や文化の壁を越えた客観的な評価は非常に重要です。そこで有効なのが、適性検査の活用です。特に、行動特性や潜在能力を測るタイプの検査は、スキルや経験だけでなく、その人のストレス耐性や協調性、主体性といったパーソナリティを把握するのに役立ちます。
まとめ:戦略的な外国人材活用へ
外国人材の活用は、単なる人手不足の解決策ではなく、企業の成長戦略そのものです。適切な労務管理と、外国人材が安心して働ける環境を整備することで、企業は新たな成長の可能性を手に入れることができるでしょう。外国人材採用に関する手続きや労務管理に不安がある場合は、専門家である社労士に相談することをお勧めします。貴社のグローバル化を、私たち社労士がサポートします。外国人人材活用についてお悩みがある方はこちらから



セキュリティ体制


