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ルール整備が企業価値を高める!就業規則見直しの戦略ポイント2025

2025.04.18 コラム

そもそも、なぜ就業規則の見直しが必要なのか?

就業規則は、企業と従業員との信頼関係を築くための「共通ルールブック」です。作った当時のまま放置していませんか?
法改正や働き方の多様化、企業の成長に伴って、現場と就業規則のギャップが広がっているケースは少なくありません。
就業規則を見直すことは、単なる法令順守の対応ではなく、「企業価値を高める経営戦略」の一環と捉えることが重要です。

法改正への対応

2024年には労働条件明示ルールの強化(いわゆる「明示ルールのデジタル対応」)や、育児・介護休業法の改正などが相次ぎました。
2025年も法改正や指針の見直しがされており、就業規則に反映しないままでは、行政指導や労務トラブルにつながる恐れがあります。
最新の法令に沿った記載になっているか、確認・改定が不可欠です。

トラブル・リスク回避

「規則に書いていなかった」「内容があいまいだった」というだけで、労務トラブルが企業の信用を傷つける時代です。
特に労働時間やハラスメント、懲戒処分などに関するルールが明確でないと、訴訟リスクにも直結します。
トラブルの“予防接種”として、ルールの整備・明文化は非常に有効です。

経営戦略との連動

就業規則は「守るため」だけのものではありません。
人材確保・定着、生産性向上、多様な働き方への対応など、経営戦略と一体化させることで、大きな成果を生むことができます。
人的資本経営が注目される中、企業文化や価値観を反映した就業規則は、優秀な人材の獲得にもつながります。

2025年度版就業規則見直しチェックリスト

今年度の見直しにあたり、以下のポイントを重点的にチェックしましょう。

労働時間・休憩・休日の規定

・法定労働時間・休憩の取り扱い
・変形労働時間制やフレックス制、みなし労働制の導入・運用の妥当性
・時間外労働や休日労働の管理と上限規制の明記

賃金・退職金制度の明確化

・賃金体系(基本給・手当・賞与など)の定義と支払いルール
・退職金の有無、支給基準の明文化
・給与支払い方法の変更(例:デジタル給与対応)

ハラスメント防止規定

・パワハラ・セクハラ・マタハラ等の定義と禁止事項
・相談・通報の体制、調査・対応手順
・再発防止に向けた教育・指導の規定

育児・介護休業制度

・法改正に基づいた休業取得要件・申出方法の明記
・復職支援の仕組み、短時間勤務やテレワークの併用規定
・男性の育児参加を促す取り組み

副業・兼業の取り扱い

・原則禁止か、条件付き許可かの方針明確化
・事前届出制や情報管理上のルール整備
・競業避止義務とのバランス

テレワーク勤務規定

・対象業務・職種、申請手続きのルール
・労働時間の管理方法、通信費等の取り扱い
・セキュリティ対策や情報漏えい防止策

個人情報・マイナンバーの取り扱い

・利用目的・管理体制の明示
・アクセス権限・保管・廃棄のルール
・委託先との契約・監督義務

懲戒・服務規律の明確化

・懲戒事由、懲戒の種類・手続きの具体化
・SNS投稿や私的情報発信に関する注意喚起
・勤務態度・服装・勤務中のマナーなどの行動規範

休職・メンタル不調者対応

・私傷病休職の要件・期間・復職基準
・メンタルヘルス不調者への対応フロー
・産業医やEAPの活用方針

人的資本情報開示とリンク

・就業規則の整備が、人的資本開示における「制度の裏付け」に
・研修制度、ハラスメント対策、多様な働き方支援の記載明確化
・人的資本経営の推進に、就業規則を活かす視点が必要

こんなリスクが!見直し事例

ケース1:テレワーク中の事故が労災に該当するか揉めた
→ テレワーク規定がなく、「勤務中」の判断基準が曖昧だった。

ケース2:副業による情報漏えいが発生
→ 副業を原則禁止としていたが、規定があいまいで懲戒対象にできず。

ケース3:育児休業後の時短勤務を巡ってトラブルに
→ 就業規則に「時短勤務の取得期限」が明記されておらず、現場対応に混乱。

2025年は「リスク管理」の観点で就業規則を再点検しましょう!

就業規則は「一度作れば終わり」ではなく、社会や会社の変化に応じてアップデートが必要です。
2025年は法改正・労務トラブルの多発・人的資本開示の義務化など、“見直す理由”が揃っています。
御社の就業規則は時代に合っていますか?
いま一度、専門家と一緒に見直してみませんか。

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執筆者情報
セントラル社会保険労務士法人 代表社員/社会保険労務士 井下英誉
保有資格社会保険労務士 IPO労務コンサルタント
経歴1995年早稲田大学社会科学部卒業。大学にて労働法、組織心理学等の授業を受けたことをきっかけに、人事労務の仕事に興味を持つ。卒業後、社会保険労務士事務所に勤務しながら資格を取得。 中小企業を中心に手続業務や相談業務を3年間経験した後、中堅・大企業向けに給与・社会保険業務のアウトソーシングサービスを提供する組織の立ち上げに中心メンバーとして関わる。 3年間にわたり、上場企業、ベンチャー企業、外資系企業等、様々な規模、業態の企業に対して、日本のアウトソーシングサービスの先駆けとなる効率的なアウトソーシング手法や労務施策の導入を提案。 2001年1月に労務プランニング井下事務所を設立 2014年1月にセントラル社会保険労務士法人へ社名変更
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