「経営リスク削減のためにも、定着率向上のためにも労務リスクを削減したいが、何から手をつければいいかわからない」、「働き方改革関連法、その他労働法の改正に対応できているか不安」という経営者・人事労務担当者の方はまずは「労務監査」で現状を可視化することを推奨いたします。
【学校法人】学校法人でのハラスメント対策研修の実施
3年前から学校の働き方改革を支援
当法人では、3年前より学校法人様の「働き方改革」推進を支援してまいりました。労働時間の適正化や残業削減といった制度面の整備は一通り完了し、職場環境は大きく改善してきました。特に、比較的規模の大きな学校法人様では、未払い残業問題への対応も進め、法的リスクの低減と透明性の高い労働環境の構築をサポートしてまいりました。
しかし一方で、「人間関係」や「職場内のコミュニケーション」に起因する課題が新たに浮き彫りになってきました。教職員の方々からは「もっと自由な働き方をさせてほしい」という声がある一方で、法人側には教職員の労働環境を整備する義務があり、また将来的に教員の採用が難しくなっていく中で、魅力的な職場づくりは避けて通れません。時に法人と教職員側で意見が対立することもあり、その溝を埋めることが喫緊の課題となっていました。
特にここ最近では、カスタマーハラスメント(カスハラ)や、生徒から教職員へのハラスメントといった“教育現場特有の問題”も多く寄せられるようになりました。例えば、宿泊行事の引率や準備が、教職員の過度な負担となり、このままでは成り立たなくなってしまう可能性も指摘されています。
また、教職員間においても、世代間ギャップや価値観の違いからくる摩擦、上司・部下間での指導とハラスメントの線引きに悩む声が増えており、次のステップとして「ハラスメント対策」に踏み切ることになりました。
管理職、一般職向けに分けたハラスメント研修を実施
2025年3月初旬、管理職向けのハラスメント防止研修を実施。続いて、4月3日には一般職向けの研修も行いました。対象者の理解度や立場の違い、そして学校現場特有の課題を踏まえ、以下のように内容を設計しました。
【管理職向け研修】
ハラスメントの定義と法的責任
指導とハラスメントの違い、特に多忙な教育現場における指導のあり方
カスハラ・第三者ハラスメントへの対応方針、保護者や生徒からの不適切行為への具体的な対処法
教職員の相談対応時の注意点
「自由な働き方」と「組織としてのルール」のバランス
【一般職向け研修】
日常業務で起こりうるハラスメントの具体例、特に同僚や上司との関係性における注意点
被害を受けた際の相談ルートと、安心して相談できる環境づくり
同僚との関係づくりのポイント、チームとしての連携強化
生徒や保護者からの不適切な言動への対応、学校としての対応方針と個人でできること
効果と今後の取り組み
受講者アンケートでは、「具体例が分かりやすく、自分ごととして考えられた」という声が多く、研修後のミーティングでも活発な意見交換が行われるなど、組織全体で「安心して働ける職場づくり」への関心が高まっています。特に、これまで認識されていなかった学校特有のハラスメントリスクについても理解が深まり、具体的な対策を考えるきっかけとなりました。
学校法人様からは、今後も定期的に研修を実施するとともに、相談窓口の整備やカスハラ対応マニュアルの作成も進めていきたいとのご要望をいただいております。当事務所では、引き続きこれらの取り組みをサポートしてまいります。
担当者からのひとこと
学校という職場は「教育」の現場であると同時に、「労働」の場でもあります。教職員の皆さまが安心して働ける環境を整えることは、結果的に生徒や保護者にとってもより良い教育環境につながります。
当法人では、教育現場の実情に即したハラスメント対策や人間関係改善のサポートを行っています。お困りごとがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。



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